HRD平古場名の家

2005

最大のテーマはローコスト。間口5間と奥行き4間を1間毎の均
等に割り、耐力壁と開口部を交互に配置して、構造的に最も無
駄のない形とした。また南側は2層吹き抜けとし、少ない開口部
に目一杯のサッシュを入れて通風と採光を図った。この結果外
観が比較的閉鎖的なのに比べて、室内は驚くほど明るく開放的
である。

玄関アプローチ。予算を切り詰め、ガンコマサに
余り物のタイルを植え込み古い枕木を据えて階
段を作った。郵便受けも階段で余った枕木を2本
立てて既製品の郵便ポストを挟んで庇をかけて
作った。

南側のウッドデッキ。この部分には思い切って予
算を割いた。ベンチを設けパラソルを立てている。
リビングの延長としての半戸外空間は広がりがあ
って快適

パーティの支度に余念がないLDK風景。
アイランドキッチンなので、結構たくさんの人が
一緒に料理に参加できる。

キャットウォークから2階書斎を見る。構造現しの
杉材がリズムを作る。

吹き抜けには、火打ち梁の代わりのキャットウォークを
設け、ここに穴をあけて下に設けた間接照明の光が、
上にも漏れるような仕掛けにしている

この暖炉も他を節約して実現したもの。
料理家の奥さまは、火を実際に手にしないか
ら近ごろの子供は片輪だとおっしゃる。火が身
近にあるといかに心が休まるかことか・・・と。
まさに共感。

リビングから食堂と台所を見る。台所の右手が和室。茶
の間や客室に使う。手前にちょっと見えるピアノ置き場の
裏手が浴室などの水回り。

住み手から・・・・・建築ジャーナル刊「九州の建築家とお見合いする本」から再録
・建築家との出会いと依頼を決めたきっかけは
 知り合いの工務店から紹介されました。福岡から来てくれるのか不安でした。でもはじめて私たちの借家を訪ねてきたいただき、お話し
 するうちに、柔軟な発想ができる方と分かり即決しました。
・住まいづくりににあたり、何を一番建築科に要望しましたか
 最初は工務店の方に家族のことや大体の間取りの希望を伝えていました。ところが、1回めの打ち合わせに持ってきていただいた2案
 ともとても素晴らしくできていてびっくりしました。特にそのうちの1案は日頃からこんな家が欲しいなと何気なく考えていたことが、ほとん
 ど実現されており、即座に「私はこの家に住みたい」と叫んでいました。
・実際に住んでみての感想を一言
 「コンパクトに作ってゆったり住む」という考え方に共感しながら住んでいます。自宅で料理教室を開いているのですが、集まってくる奥
 様方がいつもこの家に感動されています。それほど大きな家ではないのですが、間仕切りが少ないせいか、広々として快適です。窓も
 大きいわけではないのに外の緑が気持ち良く見られて、とても明るく楽しい教室ができ、皆様にも羨ましがられています。

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