NIN臼杵の家
2006
金物を使用しない、伝統的な木組みで
この建物は造られた。これはよく力の
流れを伝える金輪継ぎ。
こうして組み上げた軸組みに土壁を塗り、
漆喰で内外とも仕上げた。
2階は孫たちのための雑魚寝のスペースと
便所。平屋に越屋根風の2階が乗る単純な
外観構成。
細い組子郷氏の引き戸
を開けると1.5坪のたたき
がありここから玄関に入る。
居間と和室の
つながり。
右手が食堂。
祖先の思いのこもった杉を
伐り出し乾燥後製材し組み
上げた。
何層にも積みあがる木組み
は日本建築の美しさを引き
継いでいる。
主寝室の窓はアルミサッシュ+障子+
板戸の3枚構成。
山の中腹に小さな社があって、そこは先祖伝来の山の神を祭る聖地である。まずここで木を切り出す報告を奏上する。
山に入ると鬱蒼とした杉の木立に迎えられる。どの木を伐りどこに使うか慎重に選んでいく。
山師が入って木を切り出すと、それを製材所に運び、工場の横に積み上げ、約半年自然乾燥。それを製材機に掛けると
木くずとともに甘い香りが漂い、木の精気が感じられる。設計図に沿って墨付けが行われ一本ずつ丁寧に仕口加工が施さ
れ建て方を迎える。 そんな昔ながらの家作りをじっくり味わう機会はとても貴重な体験であった。
平成22年度「地域住宅計画賞」で奨励賞を受賞。
平成22年度
地域住宅計画賞奨励賞受賞