2007

BEFOR

AFTER

1,2階が商業施設、3階から上が共同住宅という複合ビルの改修である。ゲームセンター
とスナックが退去した後、ずっと荒廃したままであった。大きな通りの角で目立つ建物な
ので、収益改善のこともあるが、町のためにもインパクトのある建物に変えてほしいとい
うのがオーナーの要望であった。
1階にエステとフラワーショップ、2階に大手進学予備校のサテライトが入居する見通しが
立ち、改装に着手した。共同住宅部分はエレベーター周りや、共用廊下などの改修にと
どめ、おもに商業施設に力を注いだ。
外装は超耐候性塗料に浸漬きした杉板にこれも耐候性の高い自然塗料を塗って、亜鉛
鍍金を施した金物で止め付けた。
角地なので、いろいろな方向から見て、印象的な形態を狙った。
企画・総合プロデュースはdip、コンセプトと建築設計は汎建築研究所のコラボレーション。

せっかく大きな道路の交差点に面する一等地な
のに、店舗が退去してからは荒廃したままで、
街の景観阻害要因であった。
建物のコーナー部分を杉のルーバーで覆い、
アッパーライトを仕込んだ。1階の店舗周りは
荒い質感の塗り材を用いて、杉との対比を生
かした。日中でもかなり目を引くが、夕暮れから、
照明が入ると、建物全体が雪洞のようになって
一段と印象的である。

ルーバーを積み重ねるように貼っていく外装から「積み重
ねる」という意味の「スタック」を建物名称とした。

ルーバーの取り付け
詳細と住宅部分の玄
関の庇廻り。

1階施設の玄関ホール。この階段を上ると2階に
受付がある。鉄骨を浮かせた軽い階段のデザイ
ンだたが、当初は階段の揺れが止まらなくて苦
労した。補強リブの接合が悪いことがわかって
手を加えたところ揺れが止まり、事なきを得た。

回の建物銘板も、デザイン書道
家であり、アートディレクターでもあ
る平松聖悟氏の作品である。

夜が更けると、そこここに灯る
住宅階の明かりも、建物の演
出効果を高めてくれる。

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スタック